一次産業チーム

自然と
エレクトロニクスの融合

~一次産業の構造的弱者が
報われる社会の実現~

概要

一次産業の中でも林業にフォーカスし、エレクトロニクスの力を駆使してトレーサビリティの向上を図ることで
様々な課題を解決し、林業を活性化させることを目指します。

林業の活性化

概要図

解決したい社会課題

我々の衣食住を支える一次産業の課題は、高齢化による後継者不足が一番に考えられます。一次産業の低迷は、二次産業、三次産業にも影響を及ぼすことになるでしょう。

フリックしてご覧ください。

林業の就労人数推移

林業従事者推移グラフ

資料:総務省「国勢調査」

この課題を解決することは、今後の社会全体のために重要なことは変わりありません。とりわけ林業には、多くの課題が見受けられます。違法伐採の問題や高い労災死率の問題などです。

また、産地の証明方法が確立していないため、ブランドとしての正当な価格での取引ができていないというフェアトレードに関する課題もあります。後継者不足による業務の効率化やブランド価値の向上など、これらの課題をひとつずつ解決することで、魅力的だと感じる林業へと活性化を図り、若い世代の林業就業率の向上に貢献していきたいと考えています。

実現したい未来

実現を目指す未来

「境界の明確化」と「フェアトレードの実現」

木を伐採するときに必要なのは地権者への許可です。許可なく伐採をすると違法伐採になってしまうため、地権者の特定や境界線の特定というのがとても重要な作業となってきます。特に境界線の特定となると、山の中はGPSの電波が捉えづらくなるため、境界杭を探し出すのに何時間もかかってしまうのが現実です。このような作業を効率化していくことを、まずひとつ目の目標としました。そして、もうひとつ実現したいと考えているのは、ブランド価値の向上です。木材は、植えられている際はその地の名前を冠したブランド樹として確立していますが、一旦伐採されてしまうとどこからきた木材なのかの判別が非常に難しくなります。このような問題を解決することで、ブランド価値の向上、ひいてはフェアトレードの実現につなげていきたいと考えています。

  • 杭が草に隠れて見えないイメージ

    境界を表す杭が草に隠れて見えない

  • 世界中で横行する違法伐採

    世界中で横行する違法伐採

  • ブランディング可能な銘木の森

    ブランディング可能な銘木の森

そのために必要なこと

「土地境界の見える化」と「原木のデータ化」

  • 森の中で境界杭を探すイメージ

    森の中で境界杭を見つける実験

  • 木の中へデバイスを埋め込むイメージ

    試作デバイスの実験
    (単木・木の中への部品挿入の可能性探索)

山の所有者の地権が複雑化している現在、その地権者を探し出す作業の効率化として「土地境界の見える化」をしていこうと考えています。具体的には、森の中の茂みに隠れた境界杭に、電波で読み取ることのできる「発信チップ」を埋め込むことで、境界杭の位置を見つけやすくするという取り組みです。またこれは「原木のデータ化」にも応用できます。「伐採する前の木材」と「伐採した後の木材」が同じ木だと紐付けできるよう、木材にチップを埋め込んでおくというものです。これが可能となれば木材のトレーサビリティの向上につながり、ブランド価値の向上、フェアトレードの実現に効果を発揮できるものと考えています。

現在の取り組み

step1,課題の設定→NOWstep2,課題を解決するソリューションの創出→step3,ソリューションの具体的な開発→step4,実現のためのパートナー探し→step5,実現化の実験段階→step6,事業の創出
  • STEP01

    課題の設定

  • NOW
    STEP02

    課題を解決するソリューションの創出

  • STEP03

    ソリューションの具体的な開発

  • STEP04

    実現のためのパートナー探し

  • STEP05

    実現化への実験段階

  • STEP06

    事業の創出

林業の課題は見えているものの、その解決のためにはまず細かい部分を肌で感じる必要があると考え、本プロジェクトスタッフは、ことあるごとに林業の現場へ足を運んでいます。視察したり実際に作業を手伝ったりして現場を知ることで、見えなかった事実をいくつも知ることができ、本プロジェクトのソリューションを設定する上で重要な情報源となっています。現場ではさらに、境界杭や伐採した木材に発信チップを埋め込む実験をしたり、ムラタの「安全監視モニタリングヘルメット」を現場に持ち込んで林業用にカスタマイズできないかを考えたり、様々なことを行っています。このような試行錯誤を繰り返しながら、実現可能なソリューションの設定につなげていきたいと考えています。

  • プロジェクトの皆さま
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