募集内容
藻場の再生や海の社会課題解決を通じて、将来に残せる持続可能な豊かな海を共に目指すパートナー
活用商材
場所を選ばず設置可能で、自動校正により信頼性の高い「ND-IR式水中CO2濃度測定機」を使った水中CO2測定・評価サービス
※当商材は開発品であるため、仕様は事前の告知なく変更される場合があります。
MATCHING
POINT
温暖化対策の新たな切り札として、海の生態系によって海中に炭素を固定する「ブルーカーボン」が注目されています。そのポテンシャルは大きく、カーボンクレジット取引も進んでいます。ただしその一方で、CO2吸収量の評価方法に課題があり、ブルーカーボン市場は期待されるような成長ができていないという現状があります。この状況を打開するため、村田製作所は水中のCO2を直接的、連続的に測定できる「水中CO2濃度測定機」の開発を進めています。このデバイスを活用した新たな評価法により藻場のCO2吸収量を直接測定し、評価をするサービスの普及を目指しています。この新たなソリューションを活用して、ブルーカーボン創出活動をともに盛り上げてくださる共創パートナー様を募集しています。
海の生態系に吸収され、長期間海洋に貯留される炭素のことを「ブルーカーボン」と呼びます。特に、アマモやコンブ、ワカメなどの海草や海藻からなる藻場は、陸上の森林に匹敵するほど高いCO2吸収力と炭素固定能力を持ち、ブルーカーボンの重要な貯留場所となっています。ポテンシャルの高さから脱炭素対策としても重要視されている藻場ですが、現在は減少の一途をたどっており、保全と再生が急務となっている状況です。
ブルーカーボンによる脱炭素対策には大きな可能性があり、日本でも「Jブルークレジット®」という制度で取引がスタートしています。そのJブルークレジット®は現在、「藻場の面積」、「藻場の被度(密度)」、「吸収係数」の掛け算を基本として、次のような方法で藻場を評価しています。
現在主流の藻場の評価方法
藻場の面積や被度(密度)を、ドローンや水中ダイバーの目視観測によって測定します。さらに対象藻場の植生分布を正確に把握した上で、文献値によるそれぞれのCO2吸収能力を組み合わせて吸収量を推計します。現在の評価方法は、広い藻場を人力で調査する「労力」や文献値活用による「精度」に課題感があり、高度な専門知識も要求されます。
国際的なカーボンクレジット取引を実現するためにはより簡易的で客観的、定量的な評価手法が必要です。そこで村田製作所では、手軽かつ高精度の「水中CO2濃度の測定サービス」実現に向けてプロジェクトを立ち上げました。発足から約4年、そのサービス普及のカギとなる「水中CO2濃度測定機」の実証にこぎつけました。
定量的な評価のためには、海中でのCO2濃度の連続的な測定が欠かせません。そのため長時間放置できる測定機が必要ですが、通常の測定機は長時間の使用に伴って測定値が緩やかに変動する「ドリフト」という現象が発生します。これは時間経過による部品の劣化などに起因するもので、ゼロにすることはできません。このため、定期的に手動で校正(キャリブレーション)する必要があります。
しかし、村田製作所が自社製CO2ガスセンサをベースに開発した「水中CO2濃度測定機」は「1光源1光路1素子の構造」と、4.3μm帯(測定光)と3.9μm帯(参照光)の「2波長」を使用することにより、自動校正を実現。長期安定性と高い測定精度を両立し、メンテナンスフリーでの連続運用を可能にしました。
自動校正・補正が可能なムラタのCO2ガスセンサ
また、測定機は水中測定を前提とした防水性能を備えていますので、海面だけでなく、測定機全体を水中に沈めた状態でも連続測定が可能です。
水中のCO2濃度を測定するためには、水中CO2濃度と測定機内のCO2濃度を同じにする必要があります。この濃度平衡をスピーディーに実現するため、「水中CO2濃度測定機」は、ガス平衡器に表面積の大きいガス透過膜を使用しています。これにより測定機器内へのガス取り込み効率が向上し、海中CO2濃度をレスポンスよく測定できるようになりました。
また、可搬性に優れたコンパクト設計のため、プローブ部だけでなく装置全体を海中に沈めることができます。これにより連続的・直接的にCO2濃度を測定でき、従来は測定が難しかった水中CO2濃度の連続的な変化がわかるようになりました。
海中CO2濃度の変化2025年11月17日に静岡大学、港湾空港技術研究所、当社の共著論文「A compact pCO2 measurement system using a gas permeable membrane for underway and moored observations in coastal waters」が国際的な環境モニタリングの学術誌「Environmental Monitoring and Assessment」に掲載されました。
この論文では東京湾での航走連続観測による他社センサとの比較試験、北海道コムケ湖での係留観測実施時の採水分析との比較試験の結果を通じて、当社が開発した水中CO2濃度測定器の測定精度が遜色なく、かつ小型で持ち運びやすく、低消費電力であることが利点であるということを報告しております。ぜひ以下からご覧ください。
村田製作所が目指すのは、「水中CO2濃度測定機」の開発や販売に留まるものではなく、包括的な評価サービスを提供することです。ブルーカーボン創出活動が抱える課題を根本から解決し、従来は困難だった藻場のCO2吸収量の定量評価を実現。そして、持続可能なブルーカーボン創出活動の基盤を築きたい、市場を創造したいと考えています。


本プロジェクトの立ち上げから4年が経過しました。現在は北海道から沖縄まで日本全国でフィールドテストを実施しています。また、各地の漁協様などとの協働を通じ、ネットワークも徐々に広がっています。さらに、今も測定時間の延長や精度向上など測定機の改良に取り組んでいます。
村田製作所では、この測定機をより多くの方に活用いただき、海洋環境保全とブルーカーボン市場の拡大の両立を実現したいと考えています。
村田製作所が提供するのは手軽かつ高精度な測定を長期安定運用できるCO2計測技術と、分析の技術です。これにより「精度と労力はトレードオフ」という現状を打開し、さらにはブルーカーボンの評価方法の確立、そして評価サービスの提供を、多くの関係者の皆さまと共に目指そうと考えています。
村田製作所の目標は、藻場の再生事業者も含めた幅広いパートナーの皆さまと連携し、ビジネスとしての仕組みづくりの一翼を担うことです。藻場の維持・再生、ひいては次世代にできるだけよい海洋環境を残していくことが、私たちの1番の願いです。
単なる技術提供にとどまらず、持続可能な海洋ビジネスとブルーカーボン市場の健全な発展の実現に向けて、パートナーの皆さまと共に新たな価値を創造していきたいと考えています。
村田製作所では、「水中CO2濃度測定機」を活用して、藻場のCO2吸収量を評価したいパートナー様を募集いたします。
本サービスに関心のある企業様は、お問い合わせフォームにてお気軽にお問合わせください。
※当商材は開発品であるため、仕様は事前の告知なく変更される場合があります。
村田製作所
技術・事業開発本部技術企画・新規事業推進統括部
海の中は「見える化」の最後のフロンティアと呼ばれ、陸上に比べてまだ情報が少ない領域です。水中生態系が陸上と同等、あるいはそれ以上に炭素固定に貢献していることがわかってきたのも、じつはごく最近のことです。村田製作所は、「水中CO2濃度測定機」をきっかけに、海の「見える化」と持続可能な利用に貢献したいと考えています。CO2濃度測定、藻場の再生に関わる方でご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。新たな未来を切り拓くパートナーとの出会いを心よりお待ちしています。
また、水中のCO2濃度は、魚や貝といった生物にも深く関わっています。ブルーカーボンだけでなく、より広い分野で皆さまのお役に立てる可能性があります。海だけでなく、川や湖など、あらゆる水環境で「こんな情報が欲しい!」というご要望があればご相談ください。

村田製作所では、「水中CO2濃度測定機」を活用して、藻場のCO2吸収量を評価したいパートナー様を募集いたします。
本サービスに関心のある企業様は、お問い合わせフォームにてお気軽にお問合わせください。
※当商材は開発品であるため、仕様は事前の告知なく変更される場合があります。