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m-FLIPTM:
製造業向け稼動率改善ソリューション

導入事例

ラインの稼動率2倍を
叶えて分かった
これまでの失敗の原因と、
現在の成功の理由

client
神田工業株式会社 熊本事業所
業種:基板実装、一貫生産
導入時期:2020年12月

さまざまな課題の原因となる人員不足、設備投資への不安を抱える中、「見える化」によって解決を目指した神田工業株式会社様。m-FLIPTM、追加オプションのトライアル導入でも新たな問題が生まれ、解決法を模索した結果、ライン全体の設備稼動率の大幅向上を実現。設備の新規導入など、さらなる改善にむけての挑戦を続けています。

  • 執行役員
    所長
    濱西 潤氏
  • 製造1グループ
    課長
    田上 裕久氏
  • 技術グループ
    課長
    加藤 涼司氏
  • 製造1グループ
    係長
    遠山 努氏

課題と効果

  • 見える化を進めて設備稼動率を上げたい
    m-FLIPTM導入設備の稼動率が100%アップ。ライン全体の稼動率は50%アップ
  • 有益な設備投資につながる裏付けが欲しい
    蓄積データから判明したネック工程で事前に改善効果を検証。確証を持って投資が可能に
  • 会社の利益を上げたい
    生産数増加で受注可能案件数アップ。お客様からの信頼度も上昇

背景

足りないのはデータか、人か、設備か。
リソース不足で進まない業務改善に焦り

当工場の改善活動が進まない、負のスパイラルに陥っていた一番の要因は「詳細なデータ収集ができていない」ということにあります。
m-FLIPTM導入以前は、稼動データから試算した生産数が実際の数と合わないことが大きな課題となっていました。原因を究明しようにも、当時は管理者自らが設備を動かして対応せざるを得ない日があるほど人材不足。人力でのデータ収集はまず諦めていましたし、会社が準備してくれたシステムもうまく活用できないまま、多少のデータがそろっても分析する時間がない。システムを自分たちで吟味して選べば活用できるかもしれないとも考えましたが、決して安価なものではないだけに「失敗したら取り返しがつかない」という懸念が捨てられず行動には移せない。ラインの構造やこれまでの経験から「この設備があれば稼動率が上がる」と算段できることもありましたが、新規設備投資を進めるためには好転確実を会社に示すデータが必要になる。どこから攻めても壁にぶつかり、八方塞がりのような感じですよね。改善しなければ」という想いや焦りを常に感じながら、身動きがとれない状態が続いていました。

経緯

村田製作所の知見に基づいた
導入後まで続くシステム活用支援が決め手

村田製作所さんからm-FLIPTMの話を初めて聞いた時も、正直に言うと「よくあるシステムだろう」と半信半疑でした。とはいえ「改善にむけてチャレンジしなければいけない」という気持ちが強かったこともあって、実際に工場を視察してもらった上で打ち合わせを重ね、m-FLIPTMの導入を決断しました。
決定にいたる一番の決め手であり、他社システムとの大きな違いを感じたのは、システム導入後にもデータ活用支援があったことに尽きます。もともと村田製作所さんは工場における稼動率改善の知見を豊富にお持ちですし、定期的に現場に足を運んでくれた。私たちが漠然と「こうしたほうがいいのだろう」と考えていたことをデータに基づいて積極的に指摘・提案してくれるなど、これから一緒に改善活動を進めていくチームとして、その人柄を厚く信頼できました。しかし、データの見え方などは実際に稼動しないと分かりませんでしたし、コスト面を考えても、できるだけ安全に挑戦したい。まずはライン内の主要設備1台にm-FLIPTMトライアルキットを導入してスモールスタートを切り、稼動率の変化や運用方法を見極めることになりました。

導入

導入後に増えた手間をデータ活用で解消。
解決の鍵は収集したデータにあった

m-FLIPTM導入はトラブルなく完了しましたが、その直後からすべてがうまくいったわけではありません。停止要因をタッチパネルに入力する作業が追加されたことによって、「忙しいのに対応が大変だ」と不満の声が上がりました。入力を忘れるミスも多く、データ収集がスムーズに進まない結果、数値にも反映されない日々が続きました。
変化があったのはしばらくしてから。作業員がパネル操作に慣れたこともあり、収集した停止要因データを基に高頻度の項目を抽出できました。それによって当初は24項目あった選択肢を上位9項目に整えることができ、手間の削減につながりました。より正確なデータ収集が改善活動の加速に直結し生産数がアップしたことで、その頃から作業員も前向きに取り組んでくれるようになりました。
徐々にベストな形に転換できたのは、村田製作所さんの協力が大きいですね。社内だけだと各担当者が自部署目線で分析するため、意見がまとまらないことも多かった。そこに第三者視点として加わることで、全員が納得できる方向性を示してくれたように思います。また、村田製作所さんは私たちと同じデータを日々チェックしてくれているので、事前説明なしに要点を捉えた会話ができることも改善のスピードアップにつながったのではないでしょうか。

展開

新たなオプション機能を活用し
ライン全体の見える化に成功

m-FLIPTMを導入した設備の稼動率が向上した結果を踏まえ、業務改善・生産数量増をもう一段階進めるためにはライン全体の見える化が必要だと考えるようになっていました。しかし、m-FLIPTMを追加で4台導入するのは、決して安い費用とは言えません。
そんな時、村田製作所さんから「m-FLIPTMのオプションが増え、明るさセンサシステムと連携できるようになった。残りの設備に明るさセンサを導入すればライン全体の見える化が叶う」とご提案をいただきました。しかも、初期導入はトライアルが可能なので、コストも最低限に抑えることができると言う。そこからの決定は早かったですね。m-FLIPTM導入から1年以上のお付き合いの中で信頼関係はさらに深まっていて、村田製作所さんが提案してくれるなら、確実に稼動率アップにつながるはずだと信じていましたから。
設置に関しても、かかったのは半日ほど。アンドンの見え方などをm-FLIPTMの仕様に合わせていただいたことで、運用面でも特に混乱や不安はありませんでした。設置直後からライン全体の見える化、データ蓄積ができるようになったので、あの時を即決しておいて良かったと思います。

効果

飛躍的な稼動率改善、生産数量増加により
多方面にプラスの波及効果を実感

データ収集・蓄積を基に改善を重ね、さらに、明るさセンサを用いて、m-FLIPTMをライン全体に導入することで、ボトルネックの工程を把握することができ、そこを改善して、ラインの稼動率を、2倍にすることができました。
生産数量の増加は、品質、スケジュール、数量といったお客様からの厳しいオーダーにも応えられる機会の増加にもつながっています。その後の発注が継続していく中で、お客様に信頼していただける製品作りができていることを実感できています。また、これまではリソース不足によって断らざるを得ない案件も多々ありましたが、新規受注に対応する余力ができました。少しずつではありますが、会社の利益拡大に貢献できているのはうれしい効果のひとつですね。
そして、停止要因を定量的に把握したことで、ライン全体の稼動率低下につながる弱点が判明。原因工程への増員によって稼動率アップの改善効果を確認した上で、早期に自動化設備の新規導入へといたることができました。対応事象への優先順位の確立、設備投資などができたことで作業員の業務負担を減らし、人員不足解消の一助となることを期待しています。

所長

日々積み重ねた改善実績が
改善へのモチベーションと主体性を磨く

現場の業務改善・効率化は、必要不可欠な時代。m-FLIPTM導入までに経験した多くの失敗を振り返ってみれば、私自身の「本当に改善できるのか?」といった疑問や不安がみんなにも伝わり、精力的に取り組むことができなかったのではないかと反省したこともありました。
今回のm-FLIPTM導入は、全員で考えて決めたこと。最初の意気込みが過去とはまったく異なりましたし、村田製作所さんのサポートの存在も心強い味方でした。村田製作所さんのデータ分析は客観的で的確。しかし改善策を検討する際には、常に当社に寄り添った視点を持ってくれています。定期的に現場まで足を運び、情報交換や分析報告を行ってくださる中で、村田製作所さんを含めたチーム一丸となって目標に向かえたからこそ、今の成功があるのだと感謝しています。
改善の効果を日に日に実感するようになり、従業員同士でも活発に意見交換をする場も増え、「きっと改善してみせる」といった意欲と自信が見られるようになりました。まだ過渡期ではありますが、これまでと同様に一つひとつを成し遂げ、着実な改善活動を続けていきたいです。

展望

改善にむけた円滑なPDCAサイクルは
データの分析力で決まる

自動化設備を導入したばかりで現状がベストな状態とは言えないのですが、まずは現在進めているラインの改善を完成させることが目標です。すべての改善が完了した際にはどこまで稼動率が向上するのか、実は今からとても楽しみにしています。改善活動に終わりはありませんし、m-FLIPTMの汎用性を活かして別の製造ラインやエネルギーマネジメントシステムなどへの水平展開を想定に、今後も進めていきたいですね。
m-FLIPTM導入以前は、「見える化の実現=課題解決」だと思っていました。数年にわたって改善を続けた今、蓄積したデータをしっかり分析することこそが、何よりも重要だと考えています。もちろん高い稼動率や生産数量は明確な目標であり、努力の指針になります。しかし、最大限にそのデータを活用できるかどうかが、その後の仮説、実行を通して良い結果を生み出す分岐点であると分かりました。その好循環の起点に気付けたこと、稼動率アップを実現して作業員を含む全員の改善意識を高められたことが、m-FLIPTM導入における当社の一番の財産になっています。

お客様プロフィール

  • 企業名
    神田工業株式会社
  • 本社所在地
    兵庫県姫路市神田町3丁目6番地
  • 事業所所在地
    熊本県八代市鏡町有佐1302番地
  • 創立
    1970年9月22日
  • 資本金
    6,000万円
  • 従業員数
    1,200名(グループ全体)
  • 事業内容
    電子部品製造
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